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留学生に聞く。中国人受け入れに必要な準備とは?
留学生の視点で地域の魅力を再発見
6月17日(金)から20日(月)にかけて、山形大学に在籍する留学生が山形県内の観光施設を巡るモデルコースツアーが実施された。これは、山形県の雇用対策事業を受託した県内のシンクタンクが企画したもので、県内の観光施設や特産品などを中国人の留学生の目線で評価してもらうことを目的としている。ここで挙がってきた声をもとにして、今後、中国に対するプロモーションを積極的に推進するための素材として活用していくことになる。
昨年度から始まったこの事業では、中国にて現地の旅行会社やメディアなどを訪問し、ニーズ調査を行ってきたり、山形県内の留学生を招いてグループインタビューを実施したりしてきた。そして、ニーズ調査やグループインタビューで出てきた意見をもとにして中国人向けの観光モデルコースを4本作成した。今回は、昨年度中に作成したこのモデルコースの中の1つのコースを巡り、中国人のニーズに合致した素材が盛り込まれているかどうか検証を行った。今回参加した留学生は、1年~2年間、山形県に滞在しており、「中国人の目線を持ちながら山形県の観光魅力をある程度理解している」という特徴を持っている。今回、実際にモデルコースを巡ってみて、日本人の目線では気付きにくい、中国人を受け入れる際の準備のヒントもいくつか見えてきた。今後、今回のモデルコースツアーを通して出てきた意見を反映させ、中国人のニーズにあったツアーコースとして中国側の旅行会社に企画を持ちこむ予定となっている。また、県内の観光素材を掲載した情報誌を作成し、中国国内での配布の準備も進めている。
以下に、今回のモデルコースツアーを通して挙げられた中国人留学生の声をピックアップしてレポートしていく。日本人の視点とは異なる意見がたくさん出てきた。
どうしてご飯を最後に持ってくるんですか?
ツアー初日の夕食時に1人の留学生がこんなことを言った。「どうしてご飯を最後に持ってくるんですか?中国人の旅行客は日本のお米に期待して日本にやってきます。最後にご飯を持ってくるのは、ご飯の美味しさを伝えきれませんし、何よりこんなにもご飯に合うおかずがたくさんあるのにもったいないです。最後にご飯を持ってくるのは、日本人にとっては違和感がないかもしれませんが、中国人には理解ができません。中には、最後にご飯だけを食べさせることを失礼だと感じる人もいると思います。」
確かに、日本人の特にお酒を好まれる人にとっては、『締め』として最後にご飯とお味噌汁を出してもらうことに違和感をおぼえることはあまりない。しかし、中国人にとっては、日本の美味しいご飯に期待して来日してきている以上、おかずと一緒に食べたいという気持ちにもうなずける。会席料理の文化を知らない中国人に対しては食事の前に一言『ご飯は先に持ってきましょうか?』という一言でいいので確認する必要性を感じた。この学びをもとに、2日目からはご飯を先に持ってきていただきおかずと一緒に食べてもらった。すると「やはりこっちの方がご飯を美味しく感じますし、中国の文化にも合っています。」と笑顔を見せながらご飯を食べていた。
お土産はわかりやすく、自慢がしやすいように。
2日目に体験したこけしの絵付けは中国人留学生にとても評判が良かった。理由を聞いてみると、「短時間で日本の文化を体験できるところに魅力を感じます。また、こけしは山形を象徴するお土産なので、自分で絵付けをしたこけしの写真を撮って送れば、両親や友人にも自慢がしやすいです。お土産として、こけしの絵付けセットがあれば売れるのではないでしょうか?そのときには、サンプルとなるこけしのデザインと中国語での説明書があるとより良いです。」
昨年の2月に実施した座談会でも別の留学生がこう言っていた。「お土産物には大きく『山形』と書いてほしい。そうすれば、自分が山形に行ったことが一目でわかるし、自慢もしやすい。」やはり、中国人にとっては日本に旅行することが1つのステータスであり、旅行したことは両親や友人などに話をしたいようだ。その際に重要になってくるのが、『日本に来ていることが一目でわかる』ことである。
今回のモデルコースツアーにおいても、行程中に写真を撮り携帯でメールを送ったり、電話をかけたりする場面をよく見かけた。他にもブログに写真を載せて中国にいる友人とも連絡を取るようだ。
湖北省出身のAさんの感想
 山形に来て2年余り経つが、県内を周遊するのは初めての体験だ。とても良い気分。初日に行った鶴岡市では穏やかで美しい日本海に感動した。海の地平線に夕日が沈むところを初めて見たが、最後にあっという間に消えていく夕日をとても不思議だと感じた。
2日目は山里の旧家でそばを食べた。普通の店よりも素朴な感じがするが、村特有の楽しさを感じることができる。この日に宿泊した大友屋旅館はお部屋が高級だが、民家の雰囲気も残しており、この旅で泊まった旅館の中で1番気に入った。
最終日には、そば打ちの体験をした。体験を通して、先生が自分のそば作りに誇りを持っていて、とてもまじめにそばを作る姿が勉強になった。やはり自分のわざを大事にしなければならないし、その姿勢があるからこそ美味しいものを作ることができるのだと思う。また、この日に泊まった蔵王では温泉が卵のにおいがするが、肌にとてもよく特に女性におすすめしたい。
山東省出身のBさんの感想
 私のふるさとは、海に近いとことにあるので海を見るのは珍しくないが、日本海に沈む夕日を見るのは今回が初めてだ。きれいで言葉では表現できないほど感動した。また、この日に宿泊した旅館では、皆さんに優しくしていただいて「あぁ、日本のサービスはやはり最高だ」と感じた。
2日目にはおしんのロケ地に行った。私の母はおしんが大好きで、よく話をしてくれていた。実際のロケ地をみたのは今回が初めてだったが、とても綺麗なところで感心した。昼ごはんは、田楽のコースを食べた。自分で好きなものを焼いて、好きな味を付けて食べるところをとても楽しいと感じた。その後、移動してこけしの絵付けを体験した。難しいこともあり、女性と子供であれば問題ないが、男性は面倒くさいと思ってしまうかもしれない。顔だけを絵付けするなど、半分だけ体験するプランもあるとよい。また、この日に泊まった旅館はベッドが用意されていて良かった。畳も好きだが、ベッドの方に慣れている。
この3日間ずっと日本の伝統的な食事をした。確かに美味しくて高級ではあったものの、続いてくるとお腹も少し疲れてくる。また、中国の北の方の人にとって毎日ごはんだけを食べるのはつらいと思う。パンやまんじゅうなどの食事があるとよいと思う。
広東省出身のCさんの感想
 中国では夕日があまり見えないでの日本海に沈む夕日をみることができて、他の中国人にも自慢ができる。また、初日に宿泊した旅館は山の景色をみながら泊まることができるところに魅力を感じる。フロントでチェックインをしている際にお菓子を出してくれたサービスも中国人にとってとても魅力を感じることができる点だと思う。
2日目は山居倉庫に行って倉庫などの歴史について紹介してもらった。日本にいる私は、このような歴史に興味を持ちながら聞いていたが、中国から来た人にとっては興味があるかどうかなんとも言えない。もしかしたら興味を持つ人が少ないかもしれない。昼食で食べた田楽コースは最高だった。特に都会に住む中国人にとって、リラックスできる場所だし、日本の文化を体験するのに最適だと感じた。また、この日に宿泊した旅館は山に囲まれていてとても雰囲気がよいところではあるが、交通の不便さがあるので、個人での旅行には不向きなのではないかと思う。
その他の声
- 食事はあらかじめ取り分けられて出されるよりも、みんなでわいわい食べられる大皿タイプの方がよい。
- 旅館の料理は種類が多く、初めて見る料理もあるので写真と解説が付いたお品書きがあるとよい。
- 外出の際に鍵をロビーに預けることに抵抗を感じる中国人が多い。特に親の世代は嫌がる。
- 浴衣で温泉街を歩くことに魅力を感じるが浴衣の着方がわからないのと下駄が歩きにくい。

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