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朱建栄コラム : 中国のGDPはなぜ「突然」日本を抜いたか
中国の国内総生産は2010年、日本を抜いて世界2位になることはほぼ確実になった。
多くの日本人は、このニュースをやや戸惑って「唐突に」感じたかもしれない。
わずか7、8年前、中国の経済規模はまだ日本の3割だった。その上昇のスピードがあまりにも速かったが、それより、
中国を見る目に問題がなかったかを考える必要もある。
マスコミでは、中国経済は大変だといつも騒ぎ立てている。大量失業だ、過熱だ、暴動だと。
それらの動向はなかったわけではない。いや、報道したのはほぼ事実だ。
ただ、それらの問題は中国経済の大勢を決めるものなのか、それとも一局部、一側面にすぎないか、
この大局的な把握は行われなかった。その結果、さまざまな細部を見すぎているうちに、
いつの間にかトータルでは躍進している全体像を見過ごしてしまったのである。
もう一つ、中国の一貫した戦略とその各段階の発展重点を理解していないことにもよる。
鄧小平さんは1980年、2049年の建国100周年までの3段階の発展戦略を打ち出した。
まず2000年まで沿海部を中心に発展させ、経済規模の4倍増を達成する。次に 20 年かけて
内陸部を重視してさらに4倍増を実現する。そして2020年から30年間かけて
全面的に先進国に追い上げていく。この戦略構想は江沢民、胡錦濤政権に受け継がれて推進中だ。
前の20年はやむを得ず沿海部を優先的に発展させたため、内陸部との格差は確かに広がった。
でも格差是正はこの20年の中心課題で取り組み中だ。2006年に農業税を廃止し、
農産物の買い付け価格は毎年引き上げている。また2012年までに全国的に社会保障制度を整備し、
2020年ごろまでに地域間格差を大幅に縮小する計画だ。
この戦略に沿っていくと、さらに10年たてば、中国の経済規模は日本の2倍になる。
日本はこのような大きな流れを押さえて長期的な対中戦略を立てるべきだ。

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著者紹介:朱建栄
東洋学園大学 人文学部 教授。中国から見た日中問題の分析・評論活動でも活躍している。主な著書に『毛沢東の朝鮮戦争』『中国 2020 年への道』『胡錦濤 対日戦略の本音』
共著に『チャイナシンドローム』などがある。
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